STADの項目を飛ばしても良いの?


学生の質問に回答します。



「臨床でSTADを用いる際に、
 項目を飛ばしても良いのでしょうか?

(例:書取りでトウモロコシができなかったら
犬も歩けば棒に当たるは実施しない)」



素直なご意見を、いつも有難うございます。



これまでの規定では、

=====

明らかにできないと思われる課題は

被験者の負担を考慮し適宜中止して下さい。

=====

でした。



でも、

まだSTADに慣れていない方にとっては

「明らかにできない項目とは
何なのかな・・・」

とか、

「課題を飛ばして得点をつけたけど
これで良かったかな・・・」



など、不安もあったと思います。



特に、言語検査10点未満の例では
そのように感じたかもしれません。



そこで、

「STAD中止基準」

についてです。



省略の基準を設けることで

・検査者間の実施方法を標準化できる

・根拠をもって課題をスキップできる

などのメリットが考えられます。



===



まだ実用化レベルではありませんが

先に分析結果を述べます。



以下の11項目が不可の場合
^^^^^^^^^^^^
それ以降の課題は正答しにくい
^^^^^^^^^^^^^^

ということが分かりました。



■ 言語検査(5課題)

「名前発話」
「指示理解1|目を閉じて下さい。」
「復唱1|ウミ」
「呼称1|ペン」
「名前書字(漢字)」

■ 構音検査(3課題)

「頬っぺ」
「舌挙上」
「pa」

■ 非言語検査(3課題)

「アイコンタクト」
「チョキ」
「凹」



========



これの根拠です。



STADには

易しい~難しい課題が

設置されています。



例えば、「言語検査」の正答率をみると↓
【限定】STADニュースレター

グラフは横軸が課題で
縦軸が急性期45症例の通過率です。

正答率が高いほど、易しい課題
正答率が低いほど、難しい課題

と推定できます。



難易度順に課題を並べると、

正答率

95%「アイコンタクト」


20%「犬も歩けば・・・」

の、易しい~難しい課題で
構成されていることが分かります。



次に、STAD検査用紙に
示される通りの順でみます↓

【限定】STADニュースレター



■ 言語検査(5課題)

「名前発話」
「指示理解1|目を閉じて下さい。」
「復唱1|ウミ」
「呼称1|ペン」
「名前書字(漢字)」

以降の正答率は徐々に下がります。



つまり、

「トウモロコシ」
が不可の方にとって

「犬も歩けば棒に当たる」
が不可になる可能性はもっと高いので、



・より難易度が高くなる設問は省略可能

といった基準が作れると思います。



でも、なかには

「いやいや、それは、

 45例がたまたまそうだったからであって

 そこまで一般化していいの?」

と、思われるSTもいらっしゃる
かもしれないので

念のため、

・まったく別の施設で
・まったく別の検者

が採取した急性期例と比べてみます↓

【限定】STADニュースレター

かなり近い値が出ています。



なので、この傾向は

施設や検者に関わらず確認できる

ことが分かりました。



次に、構音検査の傾向です↓
【限定】STADニュースレター

■ 構音検査(3課題)

「頬っぺ」
「舌挙上」
「pa」

以降の正答率は2施設とも
徐々に下がります。



最後に、非言語検査の傾向です↓
【限定】STADニュースレター

■ 非言語検査(3課題)

「アイコンタクト」
「チョキ」
「凹」

以降、徐々に下がります。



===



このロジックを応用して
実用化にこぎつけられると

よりSTADが使いやすく

なりそうです。



「中止基準」がある
言語障害スクリーニングって、

親切ですよね!



僕の知る限り ☆世界初☆ です。



ユーザーの

・不満
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に応えることで、少しづつ

STADのクオリティーが上がります。



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※ただし、ここで示したのはあくまで正答率です。「マクロ」を扱う研究一般にもいえますが、「個」の症例に注目すると必ずしもこの通りにはなりません。つまり、まれにですが「クリスマスツリー」が書けなくて「犬も歩けば・・」が書ける方がいます。上記は負担が大きいと思われる際に適応頂き、それ以外は極力課題を施行頂くのが望ましいです。

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